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心身の完成 (前半)

天風メソッド 10

 

『天風誦句集(2)』より

 

心身の完成(前半)

 

それ、人の本体は肉身にあらず、

また心にもあらず、絶対にして不変、

また不朽不滅なる霊魂なり。

しかるに、人の多くはこの荘厳なる消息を悟るあたわず、

いたずらに肉身または心を人の本体なりと思い惑う。

そもや仮相(1)実相(2)の姿にあらず、

またその本質の現れにもあらず。

身といい心と称するものは、

真我の命が現象の世界に生きゆくための

一切の方便(3)を行わんがための、命への要具なれば、

ただこれを巧みに調整行使して、

ひたすらその性能の完全なる

発現を促進すべし。

 

【注解】

  1. 仮相=仮のすがた
  2. 実相=真実のすがた
  3. 方便=便宜上の手段

 

【解説】

「仮相は実相の姿にあらず」という意味は

「肉体は霊魂の姿ではない」ということ。

肉体は霊魂がこの仮の現象世界に生きていくための

道具なのです。

霊魂というものは、姿も形もなく、見えない、感じられないもの

です。“感じられない“というのは、五感では感じられない

ということです。瞑想によって霊的な境地に入って

はじめて感じられるのです。

 

つまり、霊魂は、自己の主観的な断定によってしか

「在る」と言えないものです。

 

霊魂などあるもんか、という人が時々います。

そういう人を説得するのは難しい。

理屈ではなく、感じられるかどうか、という問題だからです。

 

しかし、自分が今日に至った過程を考えると

霊魂の存在を感じられてきます。

赤ん坊であった自己も、現在大人である自分も、

自分であることに変わりはないのです。

赤ん坊のときの心も肉体も、現在の自分の心や肉体

と比べると、全く別ものです。しかし、そこには

一貫した“変わらぬ自己”が厳存しています。

それが真の自己であり、すなわち霊魂とよばれている

ものです

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自我本質の自覚


天風メソッド ⑨

『天風誦句集(二)』より

自我本質の自覚

そもや真我の真相は
        (1)
水火侵しあたわざるの絶対にして、
     (2)(3)
また不朽不滅の実在なり。
         (4)
人もしこの信念に真に安定(あんじょう)するを得ば、
   (5)    (6)
肉の呵責も人の世の非業も

夢幻のごとくに消えうせて、
        (7)
無限至上なる歓天喜地の世界現れん。

【注解】
(1) 水火侵しあたわざるの=水や火に破壊されない。
       水と火はもっとも破壊力の強いものの象徴である。
       すべてのものは、長い時間水につかると溶けてしまうし、
       高温の火にあぶれば、固い金属でも溶けてしまう。
(2) 不朽不滅=破壊されることのない。「永遠不滅」に同じ。
(3) 実在=霊魂。実在は哲学用語。霊魂は通俗的なことば。
(4) 安定(あんじょう)=あんじょう、と発音すると仏教用語となる。
       「定」一字だけで、「禅定(=坐禅)」と同じ意味がある。
(5) 肉の呵責=肉体的苦痛
(6) 非業=荒波、災難
(7) 歓天喜地=“天に歓び、地に喜ぶ”したがって「大いなる歓喜」の意

【解説】題の中にある「自我本質」とは「真の自己」。
  真の自己を自覚し、“我とは何ぞや”ということが悟れると、
人生は喜びに満ちた、歓喜の世界となります。
  この誦句は、“ほんとうの自分とは不滅の霊魂なり”という一大真理を悟るために、
天風自身が自分のために書いたものです。
  “人の霊魂は不滅らしい”などとぼんやり考えていても救いにはならないが、
誦句によってくりかえし自分に言い聞かせることによって、はじめて信念化して、
心のおおきな“よりどころ”となるのです。




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潜在意識の改善 つづき


天風メソッド⑧

潜在意識の改善 つづき 2018.6.13

寝床についてすぐに眠れるような人は、比較的健康な人です。
そのような人は、この方法はあまり必要がありません。
ただ、夜の帳が降りて寝るまでの間、とくに心に愛の情を豊かにして、
平穏な時間をすごすように心がけるといい。とりわけ人と激しい口論をしないことです。
また、眠るまえに瞑想ができれば、ぜひ実践すべきです。
そのあと、暗示の誦句をとなえて、自分の心を励まし鼓舞するとさらにいいでしょう。

天風はネパールの山奥のヨーガ村で、日が沈むと、
それまで喧嘩していた人たちが急にそれをやめるところをなんどか嘱目して、
その理由をたずねたところ、
「夜になってから喧嘩していると、悪魔が出てきて、人にわるさをするんだよ」
と聞かされました。天風はそのとき「なんだか迷信のような考え方だな」と思ったそうですが、
帰国してから深層心理学の本などを読んで、
夜に抱く気持ちは昼間より潜在意識に大きな影響を与えることを知り、
眠るまえの気持ちを大切にするようになったそうです。

天風はつぎのようなことを言っています。
「人は、その心に愛と誠という至純至聖のものを満たすとき、生命の全体が神格化する。
だから、自分の心のなかに、なにものをも憎まない愛の情を豊かにすることにつとめよう。
とくに昼の光が濃紫に帳のかげにその姿をかくす夜となれば、いっそうこの心がけに精進しよう。
それは夜の世界は、人の命が宇宙霊の力と結び合う尊い時であると同時に、
心なく生きる人を向下へと堕とす悪魔の跳梁する、心ゆるすまじき時だから」

この天風の言葉は、潜在意識の改善を念頭に置いてのべたものです。




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天風メソッド⑦

潜在意識の改善法 2018. 6. 3

潜在意識の改善法は、初心者の場合、眠る前にベッドに入ったら、
思えば思うほど、楽しく、嬉しくなるような、明るい朗らかな気持ちになるよう、
ひたすら連想をつづけるという、きわめて容易な方法です。
 なぜなら、かなりの多くの人が、眠る前にいろいろな心配事や悩みごとを
思い浮かべる傾向があるから、その悪い習慣をうちやぶるためなのです。

しかし、1年ほど経って、この方法の中級者となり、方法の効果を感じるようになってくると、
自分が寝る前に思うことの中味を検討する必要があります。
なぜなら、天風が言っているように、人は
「自分の欲望を際限なく引き伸ばす傾向がある」からです。

具体的に言うと、たとえば金銭欲です。
お金持ちになった自分を想像することは楽しいことです。
しかし、その欲望を際限なく引き伸ばしていくと、ついには世界一の金持ちになりたいと思う。
すると、それはきわめて現実からかけはなれた“強欲”ということになります。
強欲は悪徳です。そのような夢想は、その人の人格を傷つけます。
ですから、寝る前に思うことは、できるだけ気高く尊い清らかなものであることが望ましいのです。

気高く尊い清らかなこと・・・と言ってもわからない人は、
寝る前に連想するいちばん容易でしかもポジティブなことは、
自分の人生環境に感謝するということです。
「自分は貧乏だし、地位もないし、病がちで、自分は不幸だ。
感謝することなどありはしない」
などという人が、もしいれば、それはまちがっています。

なにか感謝できることがあるはずです。
少なくとも生きていることを感謝できます。
「生きていることは人間の第一欲望」とよばれます。
生きていること自体がすでに、絶対的な幸福ではありませんか。

さらにこの方法の上級者になると、眠る前に無念無想になるのが理想です。
天風は
「眠る間際に“なにも考えない”というのが理想である」と言っています。
しかし、これは努力しても簡単にできることではありません。
天風式の瞑想を長年実践していると、自然にそうなるのです。






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