fc2ブログ

最近思ったこと 2015.10.17



最近思ったこと

知人の母親がガンだと聞いて、胸をいためている。
私の母はガンで死にました。大学受験の前の年でした。
ガンについては、私は慶応大学医学部の教授、近藤誠さんや、京都大学医学部を出た中村仁一さんの著書をたくさん読んで、大きな啓発をうけました。
『どうせ死ぬなら、「がん」がいい』 (宝島社新書) というお二人の対話は、よくまとまっていて、納得できます

中村天風の教えを伝えるときに、ヨーガ哲学に言及することがあります。
ところが、しばしばヒンズー教とヨーガ哲学を混同した質問を受けることが多いので困ります。
それは欧米でヨーガをひろめた、いわゆる聖者とよばれる人たちは、ヒンズー教徒で、ヒンズーの教えもまぜこぜにしてヨーガを教えてきたからでしょうか。

ヒンズー教は、ヨーガ哲学で修行した聖者の創始した宗教ではありますが、それはどこまでも宗教で、ヨーガは哲学なんです。
哲学と言っても、自己修練の方法論であって、むつかしい体系的なものではありません。
ヒンズー教を私は排撃するものではありません。
哲学的な立場にたつものは、全面的に宗教を排除するものではないのです。
なぜなら、宗教にはそれなりに人生や宇宙の真理を含んでいることが多いからです。

宗教と哲学はどう違うのでしょうか?
宗教は、ある特定の絶対的な根本的実在を(神とか仏とか)信じ、信仰することで救われようとします。
場合によってはフィクション(つまりはウソ)を信じることを大前提とするものです。
その結果、宗教は他の宗教は全面的に否定し排除します。

キリスト教の教会へ行って、「神さまというのは、けっきょくは仏様とおなじものですね」などといえば、帰ってくれ!といわれるでしょう。
仏教のお寺へ行って、「キリスト教の聖書にもいいことが書いてありますね」といえば、お坊さんは怒るでしょう。

哲学の立場はちがうのです。ひとりひとり考え方が違うことを容認し、真理は宗教の中にもあるし、他の哲学のなかの正しいものは平気で認めるという、自由自在のものです。

「リグ・ヴェーダ」は、ヨーガではありません。インド古代の宗教のひとつで、その天地創造の詩句は、日本の「古事記」のようなものです。
しかし、ヨーガを学ぶ人が、「リグ・ヴェーダ」に感動してもいいのです。

私は天風哲学を学び、自分の独自の哲学をめざしています。
そして、神話としては、日本人だからか、最近とくに『古事記』がとても好きです。
由良弥生さんの『眠れないほど面白い「古事記」』は、ほんとに眠れないほど面白かった。




少し大きい文字
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)