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天風のもっとも古い随筆 


天風に書いたもっとも古い文章  2016.5.19

天風の書いたもっとも古い文章は、昭和24年正月の随筆です。
(天風は当時73歳)
このころ、太平洋戦争がおわって3年目ですが、まだ日本国民は、敗戦の荒廃と瓦礫のなかで生活していました。

天風の随筆の冒頭には、
「敗戦の日から、われわれ3000年来、誇ってきた日本の世界的地位は、まったく事実上、喪失してしまった」
という意味のことが、書かれています。

終戦の年、私は小学1年生でした。
私は、幼いなりに、人間の絶望のすがたと、地獄の情景を見た、
と思っております。

次に、当時天風が感じたこと、考えたことを、この随筆をもとにして、わかりやすい現代文で、みなさんにお伝えします。

「国土は極度な荒涼に帰し、かっての都会の輪奐の美は見るべくもなく、人々は名誉も誇りも捨ててしまった。
今もっとも悲しむべきは、日本国民の「心の変化」である。
日本人は、心の美しさ、清らかさを失って、荒(すさ)みきっている。
同じ国民どうしが、まるで積年の仇敵であるかのように、憎みあっている。
このような人々の心が、経済の窮迫、物資の欠乏という凄惨な世相を、いっそう悪化させ、救いがたい奈落の底におとしいれている。
まるで、悪夢を見ているようだ。

このままゆけば、待っているのは、この国の破滅と亡国である。
国民は、いまよく探求し、考え、未来の計画をたてねばならない。
世界の興亡の歴史をみると、国の滅亡の原因は、道義の頽廃、個人本位の欲望である。

しかし、このような現在の日本にも、愛国の純情をもつ人々が相当おられることと、私は信ずる。
これらの人々が、わずかな数であろうとも、希望の光をかかげてゆけば、祖国の復興もありうる。
この自覚こそ、私の門下生にあたえられた使命である。
今こそ、国民どうしの思いやりと助け合いの精神が必要である。
崇高な愛の心が、物資の欠乏にうちかつ道を開いてくれる。
かっての私たちの祖先のように、正しく清い大義を重んずる尊い魂を、すべての日本人がとりもどせたら、事態は好転する。
現在の悲惨な窮乏からぬけだすには、正義に生きんとする魂しかない。
いまいちばん大事なのは「魂の浄化」である。」

実際、天風は、日本の戦後の復興をなしとげた人々のすぐれたリーダーの一人だった、と思います。
この随筆を読んで、天風の激しい情熱の叫びに、私はうたれます。
天風哲学をまなぶ若い人々に、こんな時代のあったことを知ってほしいものです。




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