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見る力



見る力の修練     2016.11.8    

前のブログに書いた、見る力の修練というのは、
つぎのようなものです。
2人がペアとなり、一人が背を向けて見ていない間に
もう一人が、身近な品物をならべます。
たとえば、ハンカチ、ペン、コップ、ティッシュ、
手帳、ハサミ、などです。
背を向けてそれを見てなかった人が、
10秒くらい、それらの品物を見て、おぼえます。
そして再び背をむけて、見た品物を思い出して
言うのです。

気なしに見ると、いくつかの品物を忘れます。
明瞭な意識でしっかり見ると、ぜんぶ言えます。

この練習は二人でやると、楽しく効果があります。
そして、日常生活にもどっても、見ることが正確になります。

しかし、この方法は、一人ではできません。
天風は一人でやる方法は、自分で工夫しなさい、
と言っております。
みなさんなら、どんな方法を工夫しますか。

私の工夫は、ひとりで見る修練をするのに、
画集とか写真集を利用しました。
絵や写真をしばらく凝視して、ほかの白い紙に
黒いマーカーかペンで、見たものを思い出して、さっと
スケッチするのです。
慣れてくると、かなり複雑な対象をも正確に
描けるようになります。

そんな修練をしているうちに、私は絵を描くようになり、
彩色もするようになりました。

つまり、絵を描く行為は、見る力を養ってくれるのです。
やがて、書道をするのも同じことだと気がつきました。
写真を撮るのも、やはり写す対象をしっかり
見るかぎり、同じ効果があるでしょう。
つまり、すべてのビジュアル・アートは見る力を
養成し、認識力を高めるにちがいありません。

ビジュアル・アートには、ほかに彫刻、刺繍、裁縫、デザイン、陶芸、
動画撮影、CG制作、映画製作、漫画、イラスト、などなど、
たくさんあります。
これらの多くは視覚だけでなく、触覚も大いに訓練されます。
必ず手をつかい、
物に触れる感覚が必要となるからです。

そういえば、天風先生は80歳代のころは、修練間の期間中、
午後はいつも揮毫をしたり、絵をかいておられました。
それは弟子たちが、先生にお願いしたからでもありますが、
先生ご自身、それが五感を研くのに良い修練だと感じておられたからです。

聞く力ということになると、当然それは、音楽ということに帰着するでしょう。
歌、楽器の演奏、などあらゆる音楽的な活動は、聞く力
を伸ばします。

ほかの触覚、味覚、嗅覚においても、それぞれ自分で工夫してやればよい。
しかし、視覚と聴覚がもっとも大事な感覚です。
絵や音楽を楽しんでやればいいのです。
こんな楽しい修行はありません。

見る力、聞く力をのばすことが、認識力を高めます。
それが「官能の啓発」とよばれているものです。
認識力が向上し、官能が啓発されると、心の栄養がゆたかになるわけです。
それがその人の思想の中味を豊かにしてくれます。
もちろん年をとっても、認知症にはならないでしょう。



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