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ボースと天風のこと


ボースというインド人をごぞんじでしょうか?
ボースは、ガンジーとともにインドの独立運動に身をささげた
有名な志士です。
ボースが日本に亡命していたことがあります。
頭山満はインドの独立運動を応援していましたから、
天風にボースの護衛を命じました。
天風がネパールでのヨーガの修行をおえて帰国して間のないころのことです。

ボースは大胆な男で、亡命の身でありながら、
東京の街中を散歩したがりました。
天風はボースのあとについて一緒に歩きました。

日本は英国との同盟をしていた時代ですから、ボースを逮捕して
インドに送還する義務がありました。
刑事が、ボースの散歩しているのを放置しておくわけがありません。
ボースと天風が街を歩いていると
刑事が、すきあらばボースを捕えようと、尾行してきます。
天風はそれを知っていて、和服の両袖に手りゅう弾をいれていました。
天風が歩くと、両袖がユラユラと揺れます。
刑事が近ずくと、天風は手りゅう弾を投げつける身構えをしました。
刑事はうかつに手をだせませんでした。

当時天風は39才くらいで、見るからに精悍で敏捷だったでしょう。

しかし、のちの天風の話では、あのとき両袖に入れていたのは、
手りゅう弾ではなく、ただのタドンだったそうです。
(タドンというのは、木炭を固めた球状の燃料です。昔はこれを
火鉢にいれて暖をとったものです)

ボースは、インドの独立を達成し、
日本に遊びに来て、天風を訪ね、天風の講演も聞いたそうです。
そのあと、ボースはこう言ったそうです。
「今日の講演で聞いたクンバハカ密法というのは、インドでは
ヨーガの師匠から弟子が以心伝心で会得するものです。
今日はじめて天風先生から、クンバハカ密法のくわしい説明を聞いて
驚きました。私もはじめてクンバハカ密法のやり方を知りました。
これはきわめて価値の高いインド・ヨーガの秘法です。
これを天風先生から教えてもらう日本のみなさんは、
ほんとに幸せな人々だと
私は思います」



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