実践者の責務
実践者の責務 2017.4.2
天風の教えの、一大特徴は(メリット)は、実践の方法です。
この方法には、瞑想、自己暗示、呼吸法、体操など、たくさんあります。(12ある)
人生観については、天風はきわめて柔軟な考え方をもっていました。
すなわち、万人が天風と同じ人生観をもつことはできない、と考えたのです。
つまり、人生観というものは、一人ひとりちがうのです。
天風はもちろん自己の哲学をおおいに語りましたが、そのすべてを絶対視していないのです。
自己暗示につかう言葉でも、自分がつくった“誦句”以外の言葉でも、
ポジティブであれば“よし”としたのです。
天風誦句を絶対として、他を排除しなかったのは、
自己暗示というものは、あくまで一人ひとりの個人が自己をはげまし、鼓舞することを目的としているからです。
天風は、教える人々のなかにクリスチャンがいても仏教徒がいても、平気でした。
その信仰を捨てよとは強要しなかった。
ただ、自分の教える方法――たとえば瞑想(=坐禅)――については、厳密さを要求しました。
そして熱心に実践することを、勧めてやみませんでした。
そして、実践する人が、他人にもそれを教え伝えることを強く望みました。
「他人にも教えないようなエゴイストはだめだ。人をも導かないかぎり、その人は不完全な実践者だ」
と天風は言っております。
ヨーガや禅は個人主義的で、社会性がないと批判されることがありますが、
天風は人一倍、社会のありかた、国家のありかたを考え、行動する人でもありました。
あまり知られていないのですが、天風はかなり激越な政治活動に走った時期があり、
その結果、憲兵に逮捕され留置場にいれられたばかりか、もう少しで死刑になりかけたことがあります。
それは2・26事件のときで、京都に滞在していた天風は、憲兵隊や刑事にきびしい尋問をうけております。
天風の弟子のひとりだった西田税(みつぐ)は2・26事件の翌年には死刑になりました。
2・26の前夜、西田税は本郷にあった天風の家をたずねて、話し込んでいました。
そのことを軍事警察は問題視したのです。
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