自我本質の自覚
天風メソッド ⑨
『天風誦句集(二)』より
自我本質の自覚
そもや真我の真相は
(1)
水火侵しあたわざるの絶対にして、
(2)(3)
また不朽不滅の実在なり。
(4)
人もしこの信念に真に安定(あんじょう)するを得ば、
(5) (6)
肉の呵責も人の世の非業も
夢幻のごとくに消えうせて、
(7)
無限至上なる歓天喜地の世界現れん。
【注解】
(1) 水火侵しあたわざるの=水や火に破壊されない。
水と火はもっとも破壊力の強いものの象徴である。
すべてのものは、長い時間水につかると溶けてしまうし、
高温の火にあぶれば、固い金属でも溶けてしまう。
(2) 不朽不滅=破壊されることのない。「永遠不滅」に同じ。
(3) 実在=霊魂。実在は哲学用語。霊魂は通俗的なことば。
(4) 安定(あんじょう)=あんじょう、と発音すると仏教用語となる。
「定」一字だけで、「禅定(=坐禅)」と同じ意味がある。
(5) 肉の呵責=肉体的苦痛
(6) 非業=荒波、災難
(7) 歓天喜地=“天に歓び、地に喜ぶ”したがって「大いなる歓喜」の意
【解説】題の中にある「自我本質」とは「真の自己」。
真の自己を自覚し、“我とは何ぞや”ということが悟れると、
人生は喜びに満ちた、歓喜の世界となります。
この誦句は、“ほんとうの自分とは不滅の霊魂なり”という一大真理を悟るために、
天風自身が自分のために書いたものです。
“人の霊魂は不滅らしい”などとぼんやり考えていても救いにはならないが、
誦句によってくりかえし自分に言い聞かせることによって、はじめて信念化して、
心のおおきな“よりどころ”となるのです。
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