密法について
天風は三つの密法を教えています。
1.安定打坐密法(=天風式瞑想法)
2.クンバハカ密法
3.プラーナーヤーマ密法
天風会では、この密法をなぜか省略しています。
それはまちがいです。
密法とは、「秘密の方法」という意味です。
密法とは、インド・ヨーガにおいては、
「導師が弟子にくわしく説明しないで、弟子が以心伝心で自得すべき方法」
という意味です。
したがって、上の三つの密法はインド人でも、はっきりと知りません。
天風の密法は、「きわめて価値の高い、容易に知ることはできない方法」を意味しています。
インドでヨーガを研究して師範の資格をもっている人でも、
密法については知らないのがふつうです。
多くのヨーガの研究者は、ただ外から密法を観察して、憶測で説明している場合が多いです。
天風は、ネパールで、インド・ヨーガのカリアッパ先生からヒントを得て、
上の三つの密法を正しく自悟自得されて、帰国されました。
たとえばクンバハカ密法の場合のヒントは、
「からだを徳利のようにせよ」という変なものでした。
天風先生は日本に帰ってから、惜しむことなく、
密法をくわしく、分かりやすく人々に説明をして教えました。
それでも、私たちは説明が分かっただけではだめです。
その本当のところは、自分で探究し身につけなければ
ならないものです。
天風先生自身も、クンバハカ密法については、
ほとんど一生、工夫し試行錯誤して、
80歳代も終わりの頃、
「おれもやっとクンバハカ密法が身についたよ」
と家族に言われたそうです。
天風式瞑想は、安定打坐密法と呼称されるように、とうぜん密法です。
いちおうその方法を理解しただけでは、ほんとうの会得にはなりません。
自分なりに工夫して、自分のものにする必要があります。
そのために毎日実践しなければなりません。
なんども天風先生の説明を服膺(ふくよう)して(=味わいながら理解しなおして)
年月かけて実行することでしか、密法は会得できません。
インドで導師が弟子に説明しないのは、安易に分かったと思うと、
その高い価値を認識しないからです。
インドでは言葉で説明して密法を教えると
教えた人に罰があたる、と言い伝えられているのは、
弟子が密法の正しい価値を見誤るからです。
天風は、
「悟って後に、実践せよ」
と言っています。
天風式瞑想を理解して、悟ったと思えば、そこから実践がはじまる、という意味です。
天風先生の密法は、神秘的な方法というわけではありません。
ただ「驚異的な価値がある方法」ということです。
ちなみに、仏教に密教というのがありますが・・・
天風先生の密法は、密教とは関係がない、と考えるのがいいでしょう。
無関係ではないのですが、その説明はきわめてややこしく、
話が学問的になりすぎて、得るところはありません。
天風の密法は、どんな占いとも関係ありません。
密法と称する占いが世間にはありますが、およそ占いというものは
どんなものでも、非科学的な迷信にすぎない、と私は思っています。
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