筆で誦句を書く
墨書 2018. 9.24
最近、天風誦句を墨書しています。まえにふれましたが。
半紙にちょうど収まるように、行数を10行くらいになるように
誦句を短くしたり、省略することもあります。
書家・石川九楊は「現代の書は言葉を伝えるものにあらず、筆触の美を表現し、黒白のつくりだす妙味を創造するものだ」という意味のことを主張しています。そして現代の書道はほぼすべてこの方向をめざし、言葉の表現伝達を拒否しております。
私は書の達人としての九楊をたいへん尊敬していますが、この考え方を採用しません。
書はあくまで言葉を人に伝えるものだと考えております。
したがって、現代の日本語の文章を筆で描くのです。
読めもしない漢字の羅列や、昔の読みずらい仮名は一切つかいません。
時に大いに続け字、くずし字も使いますが、どこまでも現代の人が読めるような字を書きます。
天風誦句の手本がありませんから、自分で勝手に工夫しています。
我流と言われても甘んじてうけます。
天風先生の誦句を墨書したものがありますが、私はまねしたくないのです。私は日本の文人の書の流れをくむのが好きだからです。
会津八一や顔真卿を私はかって手本として勉強しましたが、あまりとらわれないようにしています。
下の写真は私が書いたものを厚美濃の和紙に裏打ちして、手すきの厚紙にはりつけた、いちおう作品めかしたものです。
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