15歳の東京大空襲
15歳の東京大空襲 2019・7・20
『15歳の東京大空襲』という本を読んだ。
文芸春秋の名編集長、半藤一利(はんどう・かずとし)の10年前の自伝的小説である。
惨憺たる地獄絵が、見事な文学的描写で語られる、その筆力に私は驚嘆した。
広島の原爆をかいた井伏鱒二の名作『黒い雨』に匹敵する名作だと思った。
長崎の原爆については永井隆博士のすぐれた記録などがある。(『長崎の鐘』とか)
『15歳の東京大空襲』も上記の作品とともに後世まで読みつがれるべき、国民的叙事詩であろう。
そして、先日『焼けあとの ちかい』という絵本が出た。
これは『15歳の東京大空襲』を、塚本やすしという絵描きさんが描いたもので、その大胆で奔放自在な絵筆は、酸鼻きわまる地獄の絵図でありながら、芸術的な“なにか”を感じさせる傑作である。
この絵本は藤代勇人氏の企画・校正によるものである。
藤代さんは、私の天風哲学に関する9冊の本の編集をしてくれた、私の相棒です。
この絵本も『15歳の東京大空襲』もこの夏、日本の敗戦を思いつつ、できるだけ多くの人に読んでほしいものです。
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