日本人と宗教 2014.7.18
ある青い目のお坊さんが、『日本人には宗教は必要がない』という題の本を書かれました。何万と売れたそうです。私も買ってよんでみましたが、大いに疑問を感じました。
そのお坊さんは、日本人は和の精神を大切にして生きているから、宗教など必要がない、とおっしゃるのです。日本人は自分よりも他人の幸せを願って生きている、とも言われます。そして日本人の精神を絶賛しておられるのです。
ほんとうにそうでしょうか?
たしかに外国とくらべると、日本人は争いごとを避け、自分より家族の幸せを優先している人が多いです。
しかし、現代の日本人は、信念がなく、しっかりした人生観をもっている人は、きわめて少ないです。
私は、むしろ外国で、強い信念をもち、確乎たる人生観をもっている人を多く見ました。
しかし、そのような人はかならずといいていいほど、クリスチャンでした。クリスチャンの方の多くは、内心ほかの宗教に対して、不信、軽侮、あるいは対立の気持ちをもっています。
かえって宗教的な信仰は、ほかの宗教と対立することが多い。その結果、争いごとが起きると、戦争にまでいってしまうのです。イスラエルでは、パレスチナのイスラムとユダヤ教の対立は深刻で、それが戦火のもとになっております。解決の道がありません。何千年とつづいてきたし、これからもあの地では平和はないでしょう。
その点、日本人は宗教的な信仰にこらない人が多いので、平和がたもたれやすいです。日本人に宗教はいらないでしょう。
でも、今の日本人は強い信念をもつことに努力しなければなりません。不安を感じている人が多くいるからです。そして自分なりのしっかりした人生観をもつ必要がある、と思います。同じ人生観を日本人が共有する必要はありません。人生観はそのひと固有のものだからです。
ところで、天風は信念を煥発する方法をつくりだしました。「信」の大切さを説く思想家は数多くいるけれども、それを現実にする方法を教えてくれる人は他にいないでしょう。
また、天風の人生観は、けっして押しつけるものではありませんが、それぞれが自己の人生観を確乎たるものにするために、おおいにその「しるべ」(=道標)となるものです。天風は、自分の人生観は人に強要しない、と断言しているのです。そこが天風の偉いところではないでしょうか。
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