安定打坐考抄・解説 2015.9.4
安定打坐考抄・解説(8)
p27~30
安定打坐密法を実行すると、信念の力が喚起されるために、自分に勇気あり、と思えば、直ちに勇気の念がでてくる。自分は健康だと思えば、ただちに健康だという気持ちになる。したがって、心身相関の理(心で思ったことが身体に影響するという法則)によって、健康も幸運も自然に得られるようになる。
同じ理由で、どんな煩悶や悲観の事実が生じても、安定打坐密法を行えば、今私は楽しいと思えば、ただちに苦しいこともまた楽しむという、楽天的な観念が心に形成される。
純一無雑の心境、すなわち精神統一のすばらしい境地、に達すると、消極的、否定的な気持ちが発生しなくなる。すると、自分が思ったり考えたりした事柄に、信念の力が同化してきて、積極的な観念が喚起される。
このような境地を無碍自在という。
無碍自在とは、「こだわりが無く、自由自在」という意味である。
苦を楽に、悲しみを喜びに心が転換できるということである。
なぜなら、安定打坐密法によって、感応性能(=ものに感じ反応する能力)が強くなり、暗示の感受性が良好になったからである。
だから、昔から修行者は、精神統一の極地(=三昧)に入る努力をしたのである。しかし、古来からの方法はいずれも困難で、長い歳月を要する。ところが、私の安定打坐法は、容易で、短時日のうちに、精神統一の境地に達することができる。
安定打坐密法は、公案と取っ組んで壁に向かい長時間すわる、といったような迂遠な(=実際的でない)ものではない。
安定打坐密法では、坐るやいなや、簡単に気持ちを転換して、純一無雑になれる。
安定打坐密法は、習得するのに、速い人は1か月、遅い人でも2,3か月、の実践によって、その妙味を悟り真諦(=本当のところ)を体得できる。その結果、精神統一が容易にできるようになり、記憶力が優秀になり、すべての能力が向上してくる。
安定打坐密法は、仕事をしながら、あるいは人と話をしながらでも、フッとその気持ちに、心をもっていくことができるようになるものである。
(付記―もっとも、このようになれるには、毎日安定打坐密法を熱心に、かなりの年月にわたって、実行しなければならない)
毎日この密法を実行していると、とかく乱れやすい心の葛藤が、ただちに解消されるようになる。
したがって、私はこの密法を
「心にあたえる瞬間活法」
とも呼んでいる。
(付記―瞬間活法とは、文字通り、瞬間的に心に活(かつ)を入れる方法、の意)
この密法は、迷い、執着、煩悩からの、きわめて効果的な解脱の方法である。
自分の精神に不安定なところがあると感じている人に、この密法は効果的である。また、肉体に病をもつ人も、この密法を体得すると、病の治りがはやい。
どんな人も、この密法を行えば、悠々とした余裕のある生き方になり、喜び、楽しみが多くなり、ついには人生苦なんてどこにあるのか!というような、不動の人となれるのである。
なぜなら、この密法は、心の中をきれいに掃除するのと同じであるからである。
もともと、人間の心の力が弱ってくるのは、外界からのいろいろな暗示に、心が動揺するからである。
「心の垢よごれ」と俗に言われるものは、消極的な暗示に心が感応して、心に纏綿して(=こびりついて)いる状態である。ところが、安定打坐密法をやると、この「心の垢よごれ」が自然にぬぐいさられる。その結果、心の力が増大する。
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