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天風50周忌

去る121日は、天風先生の50周忌。

つまり先生の没後50年となり、著作権の消滅する日でもありました。

その日を記念して「天風塾」では、天風誦句の数節をつつしんで墨書いたしました。

誦句を墨筆にて、ちょっと高級な手漉きの和紙に清書して、厚紙にはりつけ、客間の床の間に飾りました。

 

最近つくった短歌をここに記します。(9月)

上賀茂の 

鴨の流れに 

カモ還り来ぬ

酷暑の夏を

生き抜きてこそ

山荘のこと

上の写真は私の信州の山荘のスケッチです。

 

以前に私の山荘を無料でゆずります、とブログで申しましたが、

幸い私の教え子が手を尽してくれて、新しい山荘主がきまりました。ある東京の大学教授の方で、昨日この山荘を見に行って下さり、気に入って望外の額で買っていただくこととなりました。

まだ思案中だった方もあり、そういう方には、まことに申し訳なく存じおります。

 

セルフ・マッサージ

天風メソッド 16

 

セルフ・マッサージについて

 

セルフ・マッサージの後半部分は

顔のマッサージであり、眼、鼻、歯茎、咽頭、耳根

とつづきますが、

これはすべて蝶形骨(ちょうけいこつ)を刺激することになります。この蝶形骨は脳内の21の骨と直結しています。

その結果、蝶形骨を刺激することは、脳内のあらゆる神経系統、自律神経、ホルモン系統などを刺激することになります。

 

人骨の標本をよくみると、顔の前面にちょうど“蝶”のような形をした左右対称の骨が見られるはずです。これが蝶形骨です。

 

たとえば歯茎のマッサージは、神経系統の中でもとくに不随意神経を活発にします。そのため、口から食べ物を嚥下するときに、肺の弁(これが不随意神経の一例)を閉じる機能を正常にします。これは最新の医学が証明した事実です。

 

東日本の津波災害のとき、避難所にいた70歳以上の高齢者の方が集められて、慶応大学の医学部の若い医師たちが、歯茎のマッサージをすすめて、肺に入るウイルスをふせいで肺病にかかるのを予防しようとしたことが、テレビで報道されていました。

 

これはほんの一例で、まだ医学でセルフ・マッサージの個々の効能のすべては証明されていません。しかし効能のあることは大昔からヨーガの修行者たちによって認められており、彼らは顔のマッサージを実行してきたのです。

現代日本語について

↑大田神社。 わが「天風塾」から徒歩5分のところにある、京都でもっとも古い神社。

 

現代日本語の優秀性

 最近私が感じることのひとつは、現代日本語の優秀性です。

 それは明治期以後のすぐれた翻訳文化の賜物といえましょう。

 日本語が読めると、翻訳によって世界のあらゆる国の本がよめるのです。この点で日本語は世界一です。

 英語でもかなりの翻訳はありますが、日本語の比ではありません。英語は世界の情報の80%を占めていますが、世界に流れている情報の現在的なものに限られています。

 それに対して日本語は諸国の古代からの厖大な量の古典さえも翻訳してきたのです。

 明治時代には、日本はヨーロッパ文明に遅れているという厳しい認識から、あらゆる分野の翻訳に力をいれました。さらに、昭和の大戦における敗戦のあとも、戦時中の内向的封鎖的な国粋主義にたいする反省と反動から、世界のあらゆる国の文化に対する貪欲な知的渇望から翻訳に精を出し、翻訳文化を世界に例のないレベルまでもっていったのです。

 その結果は、語彙の豊かさにとどまらず、様々な思考経路に通暁するに至っております。

 とくに西欧から輸入した科学的分析や思考の文脈が日本語を革命的に変容させました。その結果、現代日本語は世界中のさまざまな思想や宗教の内容を解明的に詳しく説明する表現力をもっています。漢文では説明の不可能だったインドの思想や禅の考え方や実践方法についても、今の日本語は驚くほど精密に、時には科学的に時には哲学的に縦横に、わかりやすく論理的に文章化することができるのです。

 

城崎温泉

上の写真は城崎温泉のホテルの庭で、このホテルに先日泊まりました。

急に思い立って城崎温泉に行きました。いままで一度も行ったことのない温泉で、有名な温泉ですから一度見たいと思っておりました。

その印象は意外にも古典的なある種の格式があり、街並みがきれいでおしゃれな店や喫茶店が数多くひしめいていていたことです。

しかも京都と同時に東京の文化の雰囲気があるのは、なぜでしょうか。たぶん明治のころ、東京から多くの有名な文人が来訪した歴史があるからでしょうか。

京都からは「縦貫道」を90キロはしり、終点の京丹後大宮でおり、312号線で久美浜を経由して55キロ走ると城崎温泉に着きます。3~4時間です。快適なドライブでした。